2015年9月の記事一覧

「自己破産」とは?
「自己破産」というのは、裁判手続きでもって借金をチャラにする手続きといわれていますが、チャラにするというのはどういう意味か?

単に、目の前の借金を無条件にチャラにするわけではありません。

自己破産開始決定時点で、自己破産申立人が持っている財産を換価処分して債権者に配当する(債権者が複数人いる場合は案分比例)ことを条件に、それでもまだ借金の全額返済を満たすことができず、借金が残ってしまう場合、その残った借金をチャラにするということです。

この借金をチャラにするというところが、「自己破産」制度の大きな特徴であり「任意整理」や「個人再生」の場合は、あくまで借金の減額であって、借金は残るので、その後も借金の返済に勤しんでいかなければなりません。

結局「自己破産」は二つの手続きから成り立っているわけで、一つは先に述べた申立人が当時保有していた財産を換価処分して、各債権者に配当していく手続き、それから二つ目は申立人の免責する手続き、つまり借金をチャラにする手続きのことです。

「自己破産」構造~二つの手続き~

前者を「破産手続き」、後者を「免責手続き」と言って、自己破産手続きはこの二つの手続きが同時進行で進められていきます。

ただ、実際問題、申立人に換価処分して債権者に配当するような価値ある財産が当初からないことが明らかな場合は、そもそも「破産手続き」を進めていく理由がありません。こういう場合が破産手続きなんかはせずに、免責手続きのみで自己破産手続きを終了させます。これを「同時廃止」といいます。

そして、債権者に配当するような価値ある財産があって「破産手続き」と「免責手続き」が必要な本来の定型の「自己破産」のケースを「管財事件」といいます。

もっとも、借金をチャラにするからといって、申立人が今現在持っている財産を「破産手続き」の名のもとに根こそぎもって行かれてしまうことになれば、それは言ってしまえば無一文からの生活を強いられることになります。それは非現実的だし、あまりにも酷です。

だから、99万円までの現金は手元に残すことが認められていて、そのお金は当面の生活費等々で自由に使うことができます(自由財産)。さらに、20万円以下のクルマや保険、貯金も同様に換価処分されることなく自由に使うことが認められています(自由財産の拡張)。

借金をチャラにする「免責手続き」の方は「免責不許可事由」というものがあって、それがない限り免責は認められます。

「免責不許可事由」とは「浪費やギャンブルが原因で、大きな借金をしたこと」「自己破産申立てに当たって、処分可能な財産があるのに、その財産を隠匿した」とかです。

もっとも、仮に、こういった「免責不許可事由」があったとしても、その程度があまり重くないのであれば、裁判官が裁量で免責を認めてくれるケースがあり、実際に、免責が不許可となるケースはほとんどないといってもいいでしょう。

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